ストレートネック

本来の頚椎（背骨の首部分）は、前側に軽く湾曲しています。
軽くカーブすることで、首にかかる衝撃を緩和できるようになっています。

しかし、何らかの原因で頚椎の湾曲がなくなることがあります。
それが「ストレートネック」と呼ばれる状態です。

 

【ストレートネックの主な原因】

生まれつきストレートネックになっている場合もあります。
しかしストレートネックの多くは、後天的な原因が考えられます。

●長時間の不良姿勢

前屈みの姿勢が続くと、首にストレスがかかり頚椎がゆがんだ状態で固まることがあります。
とくに現代では、パソコン作業やスマホの操作などで下を向いた姿勢が長く続き、ストレートネックになりやすい環境と言えます。

 

●骨盤のゆがみ

骨盤のゆがみもストレートネックの原因の1つです。
とくに骨盤が後ろに倒れていると重心が前に傾くため、顔や顎が前に出やすくなります。
「足を組んで座る」「背もたれに寄りかかり足を前に投げ出す」といった姿勢をとると骨盤が後方に傾いてしまいます。

 

●寝具の影響

高すぎる・低すぎる枕を使用している場合、寝ている間に頚椎にストレスがかかってきます。

 

【ストレートネックから起こる症状】

●首や肩のこり

ストレートネックでは頚椎の湾曲が少なくなっているため、首や肩まわりの筋肉に負担がかかりやすくなります。
すると筋肉に疲労がたまり、血行が悪化することで、首や肩のこり感へと繋がってくることがあります。

 

●頭痛

首や肩まわりの緊張から、後頭部や頭全体が締め付けられるように痛む「緊張型頭痛」を引き起こす場合があります。

 

●手のしびれ

硬くなった筋肉で、首まわりの神経や血管が圧迫されてきます。
すると、腕から手にかけてのしびれや力の入りにくさなどに繋がることがあります。

 

●自律神経症状

頚椎のゆがみがストレスとなり、自律神経のバランスを崩しやすくなっています。
自律神経は全身の機能を調整しているため、イライラや不眠、疲労感、めまい、便秘などさまざまな不調に繋がる可能性があります。

ストレートネックは首の症状にとどまらず、身体の他の箇所にも影響が出る可能性があります。
また、ストレートネックは一度発症すると元に戻すのは難しくなるため、対策は早めに始めることが大切です。
ご自身で行えるストレートネックの対処法と予防法を、こちらでご紹介していきます。

 

【ストレートネックの対処法】

●温める

カイロや蒸しタオルなどを用いて、首のまわりや背中、胸の筋肉を温めましょう。
温めることで血行が促され、筋肉の緊張もゆるんできます。
また、全身の緊張が強まっている場合は、湯船にゆっくりと浸かることもおすすめです。

 

●ストレッチ

ストレッチによって、首や胸のまわりの緊張をほぐしてください。
デスクワークやスマホの操作が長い方は、次のストレッチを習慣にしましょう。

 

・首のストレッチ

手で軽く鎖骨を押さえた状態で、顎と鎖骨の間を広げるように頭を後方に倒します。
左右バランスよく、首の前側の筋肉をストレッチしてください。

 

・胸のストレッチ

背中側で指を組んだ状態で、息を吐きながら両腕を後ろに引いていきます。
20秒ほどかけて胸の筋肉をストレッチしましょう。

 

●頚椎の矯正

バスタオルを円柱状に丸めます。
そして首の下に丸めたタオルを置いて仰向けに寝ると、頚椎のカーブをつくる矯正を行えます。
15分ほどタオルを置いたまま横になりましょう。

 

●姿勢の改善

頭頂部を天井から吊るされているようなイメージで、背中を伸ばした姿勢を意識してください。
また骨盤のゆがみに繋がるため「足を組んで座る」「片足に体重をかけて立つ」といったアンバランスな身体の使い方は避けるようにしましょう。

 

●同じ姿勢を続けない

デスクワークやスマホの操作など、時間を区切って休憩を入れるようにしましょう。
同じ姿勢が続くほど、首や肩まわりの緊張が強まってきます。

 

●枕の調整

高さのあっていない枕は、頚椎に負荷をかける原因になります。
とくに寝起きに首の疲れを感じる場合は、枕があっていない可能性が高いです。
折りたたんだタオルを重ねたり、新しいものに買い替えたりして、自分に合った枕で寝るようにしましょう。