交通事故施術

交通事故は予想もしていない突然のタイミングで起こります。
そのため、事故直後は頭が真っ白になるかもしれません。

しかし、きちんとした手順を踏まなかったことで、本来受けられるはずの補償をもらえなくなる場合もあります。
このページでは流れを詳しくご紹介していますが、事故後はまず警察への届け出と医療機関に行くことを忘れないようにしましょう。

 

【警察へ届け出る】

警察へ連絡して、人身事故として届け出るようにしてください。
物損事故のままでは、治療費や施術費を補償してもらえる自賠責保険を利用できません。

軽く思える事故でも、時間が経ってから痛みが出てくる可能性もあります。
「これくらいなら大丈夫だろう」と、その場では示談しないようにお気をつけください。

 

【医療機関に行く】

状況が落ち着きましたら、必ず医療機関で検査を受けるようにしてください。
人身事故として取り扱ってもらうためには、「交通事故で負傷した」という診断書が必要です。

事故直後は痛みを感じない場合もあります。
しかし、事故の衝撃で確実に身体にはダメージが加わっていますので、自覚症状がなくても早めに医療機関に行くようにしましょう。

 

【交通事故後に痛みを感じにくい理由】

事故直後よりも数時間〜数日経過してから、痛みを感じ始めるケースが多くなっています。
それは、事故に遭ったショックで過剰な興奮状態になることが、原因の1つに考えられます。

交感神経の働きでアドレナリンが大量に分泌され、痛みを感じる神経を一時的に麻痺させてしまいます。
また、交通事故で多い「むちうち」は見た目に分かりづらいため、ケガとして認識しにくいことも理由に考えられます。

アドレナリンで痛みが抑えられていても、事故後はケガをしている可能性が高いため「痛みがないから大丈夫」と安心して放置しないようにお気をつけください。

交通事故時にもっとも多い外傷は、首の捻挫（むちうち）だと言われています。
むちうちがどういったケガになるのか、特徴や症状をこちらで詳しくご紹介します。

 

【むちうちとは】

むちうちは、首がムチのようにしなることで発生する首の症状の総称です。
正式な負傷名は「外傷性頸部症候群」「頚椎捻挫」「頸部挫傷」などとされます。

交通事故では「後方からの追突」「横からの衝突」など、突然の大きな衝撃で頭が強く振られて、むちうちが起こりやすくなっています。

また交通事故に限らず、コンタクトスポーツでの衝突や日常生活中の転倒などでも、むちうちになる可能性はあります。

 

【むちうちの主な症状】

むちうちでは、頚椎周辺の靭帯や筋肉などを負傷した「頚椎捻挫型」が多くなっています。
頚椎捻挫型の場合は、次のような症状がみられやすいです。

・首の痛み
・首の可動域制限
・首や肩まわりの張り感
・頭痛　
など

また、頚椎捻挫に加えて、神経や硬膜（こうまく）の損傷をともなう場合もあります。

 

●神経根損傷型

頚椎周辺の腫れによって、神経根（末梢神経の根元部分）が圧迫された状態です。
感覚神経や運動神経が障害されることで、手のしびれ、放散痛、動かしにくさを生じる場合があります。

 

●バレー・リュウ症候群型

頚椎まわりの交感神経が刺激された状態を指します。
頭痛やめまい、耳鳴り、眼精疲労といった自律神経症状がみられる場合があります。

 

●脊髄症状型

事故の衝撃で頸髄（中枢神経）を損傷した状態とされます。
手足の痛み、しびれ、運動障害が主な症状です。

 

●脳脊髄液減少症

硬膜が損傷し、中から脳脊髄液が漏れ出た状態を言います。
起立性の頭痛が特徴的な症状で、その他にも倦怠感、視機能障害、めまい、耳鳴りといった症状がみられることもあります。

 

●むちうちの期間

状態によりますが、むちうちの施術期間は、約3ヶ月ほどとされます。
しかし重度のむちうちであったり、処置を怠ったりした場合には、回復まで時間がかかる可能性があります。